2008年 新年号 〈VOL.44〉

 
巻頭言
  情勢は変わった
UP to now(アップトゥナウ)
  旬報9条の会創立3周年記念講演のご報告
  NLG総会に参加して
  日本労働弁護団50周年記念シンポに出席して
  新しく労働契約法が出来ました
JUNPOHア・ラ・カルト
事件報告
  東京大気汚染訴訟が勝利和解!
  人の識別
  商品先物取引訴訟で原告全面勝訴!
法律相談〜住宅を手放さずに債務を整理するには
ぶらりらくちょう
編集後記

■情勢は変わった

 昨年7月の参院選挙で自民党は歴史的な敗北をした。貧困、生命、健康への深刻な影響、また日本国憲法を「わび証文」とののしる改憲タカ派路線への警戒がこの事態をもたらしたといえよう。その結果、この国の政治状況は一変し、国民が政治を監視する状況が生まれた。実に喜ばしい。なぜなら、現憲法は国家が国民を支配し服従を強いて侵略戦争に追いやった反省から、対立・緊張がないと「平和の実現」「個人の尊厳」は保障されないとして、国家と国民の関係を質的に転換したが、憲法がめざすこの関係がこの国を覆い出したからだ。
 この事態が改憲派に打撃を与えたことはまちがいないが、改憲の動きが止まったわけではないから警戒を緩めることは危険。平和憲法を守り、さらには人権保障と福祉充実をめざす憲法を今こそ活かし、一人ひとりを大事にする社会を私たちの力で作り出していくことが求められている。

島田 修一
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■旬報9条の会創立3周年記念講演のご報告

 旬報9条の会が3周年を迎えたことを記念して、昨年11月3日に「アメリカから見た憲法9条〜戦争する国アメリカの矛盾と私たちの希望」と題して、音楽と講演の集いを開きました。
 集いには167名の参加者を迎え、佐藤真子さんに平和を願う歌を歌って頂き、ジャーナリストの堤未果さんに講演をして頂きました。
 堤さんは、9.11テロを体験した方で、憧れていたアメリカが9.11をきっかけに戦争に突き進んでいく様子を見て、アメリカの抱える矛盾と現実を感じたといいます。
 世界の富の4分の1をもつのに、3100万人が餓え、無保険の人が4500万人を超える。2億3000万丁もの銃が国内に散らばり、その銃で、1日平均13人の子どもが死んでいる。入隊すれば大学費用を出してやるという甘い言葉に誘われ、次々と軍に入る貧しい高校生たち。PTSDになって帰国し、ホームレスになるイラク帰還兵たち…堤さんが語るアメリカの姿に驚かされました。
 貧困と戦争は無関係ではなく、貧困・格差が「戦争できる国」の土台になっているというお話もありました。
 学力テストの導入、ワーキングプアの増加…アメリカの歩んだ道はどこかで聞いたことのある話ばかり。日本は、アメリカと同じ道を選び、憲法9条を捨て、平和を捨てていいのでしょうか?
 アメリカ兵たちの希望になっているという憲法9条、それを捨ててしまうことの恐ろしさをあらためて感じた1日でした。
新村 響子
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■NLG総会に参加して

 2007年11月に米国のワシントンDCで開催されたNLG(National Lawyers Guild)の創立70周年記念年次大会に参加してきました。
 NLGは、米国の進歩的法律家団体で、公民権運動、労働問題、反戦運動や少数者の人権問題等に取り組んできた歴史をもっています。大会では、自由法曹団と日本国際法律家協会の代表が、NLG国際委員会と協力して、憲法9条分科会を開催し、大会代議員ら約40名が参加しました。日本側からは、憲法9条が国際的普遍性をもつものであり、武力によらない平和構築のシンボル的な存在であることなどが報告され、アメリカ側からは米国憲法にも9条を取り入れるべきだという意見が出されました。
 そして、最も大きな成果は、NLG大会において、憲法9条を守る運動に連帯を表明する決議が採択され、2008年5月に開催される9条世界会議を紹介し、NLGからも多数のメンバーが参加することが表明されたことでした。9条世界会議は、2008年5月4日〜6日、幕張メッセで開催され、憲法9条を守る国際的な連帯の会議になります。憲法9条を守る運動において、大きく前進する会議となることが期待されており、関心のある方は是非ご参加ください。
宮坂 浩
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■日本労働弁護団50周年記念シンポに出席して

 日本労働弁護団創立50周年を記念して、平成19年11月9日に東京の「虎ノ門パストラル」でシンポジウムが開催されました。テーマは「働く者の権利の今とこれから〜弁護士は何ができるか、何をすべきか」というもので、出席者は労働弁護団の若手・中堅の弁護士3人(福岡、大阪、東京)と会長の宮里邦雄弁護士で、東京から私が参加しました。それと外部からのシンポジストとして毎日新聞社会部記者の東海林智氏を迎え、冒頭にジャーナリストから見た現在の日本の労働者の現状について報告をしてもらいました。
 東海林記者によれば、99年に大阪釜が崎の日雇い労働者を取材して、およそ1万人の人達が野宿生活をしており、法の救済の対象でない扱いを受けている状況があったが、今や日雇い派遣は常態化し、若者や中高年の労働者まで“ワーキング・プア”層が日本全国に広がっているということでした。このような労働者の現状に対して、各地で弁護士がどのような取り組みをしているかの報告があり、大阪からは86年に労働者派遣法ができたときから、派遣労働者の問題に取り組みを続けていて、直接雇用を認めさせるなど一定の成果を上げてきたということでした。福岡では地域の労働組合と一緒になって、当事者とユニオンと弁護士が‘三輪車’になって労働事件に臨んでいるということでした。東京の私も、働く者の権利が蝕まれ雇用が破壊されている現状を変えていくには“ユニオン”の力がどうしても必要であり、労働弁護士は労働者とユニオンと三位一体になって協力しながら労働問題に取り組んでいかなければならないと述べました。
棗 一郎
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■新しく労働契約法が出来ました

労働契約法って、何だ?
 先の参院選による衆参ねじれ国会の中、懸案の労働契約法が成立しました。政府案を修正しての成立で、来春から施行されます。
 労働基準法が労働時間や賃金の払い方などに関する最低基準−法の定めに反する労使の約束は認めない−を定め、これを刑罰を以って実現しようとするのに対し、労使の約束=労働契約に関する基本的ルールを定め、労使のトラブルを妨ごうとするのが労働契約法です。民法と同じく、違反に対する刑罰はなく、ルールに従っての是正を求めるのは民事裁判によることになります。
就業規則は有効か?
 労働契約といってもピンとこない方が多いかもしれません。労働契約で定めるべき項目の多くは、通常、就業規則で決められてしまっています。では、労働契約法は労働契約と就業規則との関係をどう定めたのでしょうか。従来の裁判所の考え方に基づいて、(1)内容が合理的な就業規則は労働契約の内容となる、(2)就業規則の一方的不利益変更は原則として許されないが、例外として変更に合理性がある場合は認められると定めました。
 就業規則変更の手続すらしないとか、不合理な変更に対しては、労働契約法に基づき、変更前の労働条件を要求できます。
鴨田 哲郎
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53年の重み

 云わずもがな、『ドラキチ』私の弁だ。今年11月1日、ドラゴンズが、ファイターズに完封勝ちして、「53年ぶりの日本シリーズ優勝」をなしとげた。優勝の瞬間のあの光景は、おそらく死ぬまで、心の襞深く残るだろう。落合監督が宙に舞った。何度も。
 つい先頃、喜寿の祝をしてもらったばかりなのに、「ドラキチ先生おめでとう」と所員に云われて、重ね重ね面はゆい。
 監督は「私が1歳になる時でした」と涙してインタビューに答えていたが、私は、大学を卒業して2年目で、終日ギプスベッドに閉じ込められて、陰鬱な入院生活に耐えていた時期だった。
 当時は、ラジオの時代とはいえ、『ドラキチ』こと私は、ガムを噛みながら悠然とフォークを投げ込む杉下、ダイヤモンドを一周の西沢、豪快に三振を繰り返す杉山、牧野の華麗な守備等々を臨場感をもって想像できた。
 子どもの頃、「人生50年」という言葉を何となく覚えた。80年・90年とも言われる昨今だが、この間、いろいろのこともあった。その時間は、本当に長くて重い。

仲田 晋
 
刑事の国選弁護に取り組む

 昨年は、国選の刑事事件に取り組んでみました。民事の法律相談は私の登録が遅かったので、刑事が主になり、できたばかりの法テラスを通じて、月2件程はやりました。
 はじめは、山梨、群馬県の地裁での控訴審等に取り組み、難しかったですが、刑は変わらなくても、未決の期間の処理をどうするかと気付かされました。英国人の即決事件やバングラデシュ人の事件も通訳付きで、一審をやりました。
 後半には、放火未遂事件で、被告人が虐められていたことを明らかにして、少し短くなりました。覚せい剤等の再犯事件では、被告人も、母親の援助により追加弁償をしたりして、一審の内妻のときとは別に、刑も相当軽くなりました。
 最高裁の上告審も取り組んでみましたが、これはやはり難しいです。

岡田 克彦
 
ツマグロヒョウモン

 一時期蝶採集を楽しんでいた。西表島でのイシガケチョウ、オオゴマダラチョウ、韮崎でのキベリタテハ、オオムラサキ、越後駒ケ岳・枝折峠でのギフ蝶の採集が印象に残っている。残雪の間に咲くカタクリの花を踏みしめてのギフ蝶採集は思い出深い。
 最近家の近くで、見慣れない黒っぽいヒョウモン科の蝶を見るようになった。どこかで見たようであるが名前を思い出せない。これまでも家の前でルリタテハ、アカタテハが遊んでいたのを見たことはあるが、この黒っぽい蝶が気になっていた。新聞記事が目に留まった。関西以南に生息していたツマグロヒョウモンが、温暖化により北上し、2006年には北関東に定着したというのである。子供のころ九州・熊本で採集していた蝶である。久し振りに会えた懐かしさはあるが、地球温暖化の不安がよぎり、素直に喜べる気持にはなれなかった。

徳住 堅治
 
有楽町・東京駅界隈の変貌

 いま東京駅(丸の内口、八重洲口とも)、有楽町駅周辺の再開発が盛んである。小規模の古いビルが立ち並び、相変わらずガード下を中心に昭和の面影を止めている当事務所周辺地域を尻目に、新しい大型ビルが次々にオープンしている。街並みの面目が一新されつつあるといってよい。丸の内では丸ビル、新丸ビル、八重洲ではグランTOKYO(ノースとサウス)、有楽町ではVelvia館、マロニエゲート、ITOCiA等々。晴海通りに出ればすぐ目の前にペニンシュラホテルだ。銀座の飲み屋では主人と客との間で「人の流れが変わった」との嘆息がささやかれるほどだ。それにしても景気はどうなったのか。庶民の台所に対するしわ寄せはますますひどくなるばかりなのに、この賑わいは何だろう。

大熊 政一
 
引越しして早10年

 現在の住宅を新築し引越して今年12月で丸10年。この10年間何が一番変わったかたと言えば、子供たちの成長である。引越し当時は、小学生1,3年生と保育園児だったのが、大学2年、高校2年、中学2年になった。大学生の長男は10ヵ月アメリカ留学し、アメリカ人の同級生の自宅にホームステイしたり、ニューヨークに貧乏旅行したようだ。高2の二男はサッカー漬けの毎日で努力のかいあってチームは全国高校サッカーの東京都代表になった(本人は出場してないが)。中2の長女は動物好きでウサギを自分の部屋で飼っている。まだ、父親と付き合ってくれて週末にはよく2人で映画にいく。ビックシアターで同じ時間に5〜6本の上映をするので、2人で別の映画を見たりしている。引越し当時は広かった家も子供の成長で狭く感じるときもある。でも、あと5年もすればまた広い家になるのかなと、ふと想う今日この頃である。

野澤 裕昭
 
先取特権の威力を実感 もっと活用しよう

 先取特権とは、未払いの給料や退職金などを会社に支払わせる上で、裁判所の判決なしにいきなり会社財産の差押ができる制度だ(民法306条、308条)。働く者にとって強力な武器であるが、あまり知られていない。ぜひ知っておいてほしい手段だ。これまでは、先取特権を使って会社の銀行預金や売掛金の差押をして取立てをしてきたが、昨年2月には約1000万円の退職金未払い事件で初めて会社の土地・建物の差押(競売)を申し立て、裁判所に認めてもらった。自社ビルを競売されたくない会社は、開札期日の直前になって任意の支払を申し入れてきたので、遅延損害金や解決金を上乗せして支払ってもらうことと引き換えに申立は取り下げたが、先取特権の威力を改めて実感した。もっと活用されていい。

山内 一浩
 
ありがとう

 「ありがとう」。一番多く使う言葉でありたいと思う。ある時を境に大事に想うようになった。事務所ニュース巻頭言を担当した時期だった。ムンクの「叫び」もこんな景色に違いない、人も景色もゆがむ日々が続いた。見かねた友人が言った。「些細なこと、一日ひとつでいい。うれしかったことを探すんだ。苦しいときや単調に思える毎日でも案外あるものだよ」。その日以来「うれしいこと」の箇条書きが私の日課になった。
 早朝の銀世界、澄み切った空に浮かぶ月の神々しさ、思いがけない人からの連絡、心にしみる言葉。毎晩「ありがとう」と唱えて眠りについた。気付いたら、到底抜け出せると思えなかった真っ暗なトンネルは抜けていた。当たり前だったことが「うれしいこと」に変わった。日常に「ありがとう」がいっぱい転がっていることに気づくことができた。

圷 由美子
 
自我の確立の芽ばえ?

 子供の成長は急速である。私も親として書籍等の情報から標準的成長速度を理解してはいる。が、それでも驚きを禁じ得ない。歩くようになり、簡単な言葉も喋るくらいに成長した我が子は、最近では、保育園でお友達に馬乗りになってましたとか、「キック」と言いながらお友達を蹴飛ばしてました、などの良からぬ情報が連絡帳に記載されるまでになった。しかし、これでは我が子に乱暴者のレッテルが貼られてしまう、これはまずいぞ、と思い、何やら遊んでいる我が娘(1歳10ヵ月)に「お友達に乱暴しちゃダメだよ」と注意をした。すると、何を思ったか“バシッ”と私を叩いてきた。呆気に取られた私を顧みることなく玩具に熱中する娘。その背中は小さいけれど大きくなっていた。やはり、子供の成長は急速である。

佐々木 亮
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■東京大気汚染訴訟が勝利和解!〜画期的な医療費救済制度の創設

 2007年8月8日、東京大気汚染訴訟が、裁判所の和解で解決しました。提訴から11年。原告の5分の1以上の方が、帰らぬ人となりました。
 この裁判は、気管支ぜん息等の患者が、自動車排気ガス公害の責任を求め、国や旧首都高速道路公団、東京都、自動車メーカーを相手取って提訴した訴訟です。
 かつて公害患者には、公害健康被害補償法で、医療費等の助成がありましたが、89年に新規認定が打ち切られてしまいました。せめて、安心して医療を受けられるようにしてほしい…多くの患者の切なる声が、裁判所を動かしました。
 和解では、東京都がぜん息患者の医療費助成制度を創設することになりました。都内居住のぜん息患者は誰でも、医療費全額の助成が受けられます。裁判で、このような制度を作らせるのは大変画期的なことです。また、国が中心となった様々な公害対策や、自動車メーカーから12億円の解決金の支払いも勝ち取ることが出来ました。
 ただ、安心は出来ません。医療費助成制度は5年後に見直しが予定されていますし、公害対策も、原告が監視しなければ口約束で終わってしまいます。これからも、東京の空気が本当にきれいになるまで、我々の闘いは続きます。
雪竹 奈緒
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■人の識別

 昨年10月東京高裁は、被告人が3件の路上での強制わいせつ事件で起訴された事案で、いずれも有罪とした一審判決を破棄して2つを無罪とし、1つを有罪とした。3名の被害者が被告人と犯人が同一だと証言していた。
 元来、人の識別はむずかしく、例えばアメリカの「モアラー夫人ケース」では、「背が低くて頑丈な女性」というだけで、ミズーリ、カンザス等3州にまたがり3名が誤って起訴され2名が服役したことがある。
 本件では、第1、第2事件は犯人の髪の色、長さと、被告人の身分証明書、美容院のカルテに記録された髪の色、長さが矛盾していた。髪をいったん脱色して茶髪にし、さらに黒髪に染め、そのうえ茶髪に染めることが困難なことなどがポイントだった。
 本件の同一性識別の手続は粗末だった。第1事件の被害者が約1ヵ月後、駅構内で被告人を犯人だと指差し、警察署へ同行を求められた。その日、第2事件の被害者による識別が行われた。彼女は「第4号取調室」にひとりでいる被告人をマジックミラー越しに見せられた。「単独面通し」は目撃者に予断を与える。彼女は、事件直後は犯人を「ニキビ面」、「肌が汚い」と述べていたが、被告人の肌はつるつるだった。単独面通し後の調書からはこうした記載がなくなった。
 第3事件の被害者は翌々日、写真帳から被告人を選んだ。その写真帳の中で、人物の背景、人物が写真全体に占める面積比が、被告人の写真だけ異なり、他から「浮き立って」いた。これは予断を与えると心理学研究は指摘する。そして写真面割り前に、彼女が犯人の容貌を言語化して表現した記録がない。面割り後、容貌を言語化して表現するが、それは写真をみて、それを言語化しているに過ぎないかもしれない。判決は「単独面通し」の危険を認めたが、「浮き立った写真」は不問にした。捜査方法は適正手続にかなったものではなく、上告をした。
今村 核
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■商品先物取引訴訟で原告全面勝訴!〜東京地裁・平成19年8月29日判決

1. 商品先物取引は、ガソリン・大豆などの商品について、一定額の証拠金を拠出して、取引会社の外務員を介して、商品取引所を通じて証拠金の何倍もの額の売買をし、将来の一定時期に決済するという投機的取引である。このような取引で利益を得るためには、専門的な知識や調査能力等が不可欠であるが、ほとんどの一般市民は、このような知識や能力を持ち合わせていない。

2. Sさん(取引当時79歳)は、尋常小学校卒業後東京都の現場作業員として勤務したのち、定年退職後年金生活をしていたところ、平成15年1月に、先物取引会社(N社)の外務員であったOらから「商品先物取引をやれば必ずもうかります」などと説明をされて勧誘された。Sさんは、はじめは断っていたが、Oらのしつこさに負けて、Oらに言われるままに証拠金を拠出して先物取引を続けたが、同年3月に、長男を介して決済したときは、約2500万円の損失となり、同年4月以降に、またもOらからの勧誘によって証拠金を拠出させられたため、同年7月には、更に約3700万円の損失が増大した。

3. Sさんは、平成17年3月に死亡したため、相続人の長男らがN社を相手に損害賠償請求の訴訟を提起したところ、東京地裁は、昨年8月29日、Sさんに対するOらの先物取引の勧誘自体が適合性に欠けるため違法であるとして、Sさんの過失を一切認めることなく、原告らの請求額の全額を認める判決をした。(教訓「うまい話し乗れば熱くて大やけど」)

清水 洋二
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〜法律相談〜住宅を手放さずに債務を整理するには

Q. 都内の中小企業に勤めるサラリーマンです。ここ数年会社の業績が思わしくなく、給料やボーナスが減らされ、消費者金融から生活費等を借り入れました。サラ金からの借金はまたたくまに増え約600万円に膨らんでしまいました。住宅ローンも抱えていますが、ここ2カ月支払っていません。なんとか自宅を手放さずに債務を整理する方法はありませんか。


A. 個人債務者再生手続を利用するとよいでしょう。この手続は、民事再生法に基づくもので、裁判所への申立により、破産することなく、一般債務の8割前後をカットして多重債務に陥った個人を経済的に再生させるものです。再生計画の中で、住宅ローンに関する特別条項を定められるようになっており、住宅を手放すことなく、住宅ローンを払いながら、それ以外の債務を整理できます。
 将来において継続的・反復的に収入を得る見込みのある個人であって、住宅ローンを除く借金が5000万円以下の場合に利用できます。破産の免責不許可事由(浪費やギャンブルなど)があっても利用できますし、資格制限もありません。
 あなたの場合、最低弁済基準額は120万円(600万円の20%)となり、原則として、これを3年間で支払うことで免責が得られます(月額約3.3万円。保有資産との関係で弁済総額がこれ以上になる場合もあります)。
 そのうえで、住宅ローン特別条項を定めることにより、この3年間に住宅ローンの延滞分(元本、利息及び遅延損害金)を分割払いするとともに、約定の住宅ローンを支払っていくことになります。約定どおりに住宅ローンを支払っていくことが難しい場合には、10年を超えず、かつ、最終の弁済期における年齢が70歳を超えない範囲で住宅ローンの返済期限を延長(リスケジュール)することなども可能です。詳しくは弁護士にご相談ください。
今村 幸次郎
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■ぶらりらくちょう − 有楽町イトシア

 昨年10月12日、JR有楽町駅前に有楽町イトシアがオープンしました。地上21階、地下4階の複合商業施設でオフィスと有楽町マルイを中心にレストランなど様々な施設が入っています。有楽町駅前からイトシアまでは全面石畳の歩行者専用の広場になり、開放的で広々としていて気持ちがいい。イトシアの地下1階には「クリスピー・クリーム・ドーナツ」というドーナツ屋さんが入っていて、オープン当初は1時間待ちもざらだったとか…。「ITOCiA(イトシア)」は、「愛しい+ia(場所を表す名詞語尾)」からつくられた愛称で、 新しく誕生するこの街を訪れる人たちにとって“愛しい街”になることを願って名付けられたそうです。有楽町はいま新しい顔を覗かせています。
梅田 和尊
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 子どもの頃、誕生日やクリスマスと言えば、不二家のケーキが定番だった。真っ赤なイチゴののった三角ショート。懐かしい思い出の味である。あの事件が起こるまでは─。
 昨年、食の偽装事件が相次いだ。信頼して買っていたブランド品は“ニセモノ”だったのだ。スーパーに並ぶ「国産」「○○県産」「天然」の表示さえ疑わしく感じる。本当にホンモノか?自問自答しつつ買い物をする毎日である。 (公平)

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