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2006年 新年号 <Vol.40> |
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■憲法とともに希望ある未来を |
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| 昨年は、衆議院選挙で自民党が295議席を獲得しました。自民党結党50年を期に憲法改正草案も出されました。今年は憲法改正国民投票法も審議されようとしています。着々と憲法「改正」が迫ってきています。憲法が変われば、自衛隊が正式に自衛軍として、アメリカと一緒に戦争に出かけます。罪無き人々が殺されます。その家族が悲痛に暮れます。私たち市民も他人事ではありません。戦争がイヤでも、戦争に協力しろ、それが「公益」に適うのだ。戦争に反対するな、それは「公共の秩序」を乱すのだ。個人の自由など主張することはもってのほかだ。私たちの生活が破壊されていきます。これを止めることができるのは、私たち市民一人ひとりです。そして、市民一人ひとりが主役であり、市民一人ひとりの自由が最も大切であると定める今の憲法です。今年はこの憲法を巡って様々な議論が重ねられます。私たちも、憲法を私たちにとって身近なものとして考えてみませんか?そして、今の憲法とともに希望ある未来を創っていきませんか? | ||||
| 梅田 和尊 | ||||
■会社法大改正−何が変わる? |
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| 株式会社などの会社を規制してきた商法(以下、会社法と言います)が改正され、平成17年7月26日に公布されました(施行は平成18年5月頃の予定)。会社法は、90年代から10数年間で矢継ぎ早に改正され、その集大成が今回の大改正です。具体的に平成17年の改正で何が変わったのでしょうか。 大別して5つあります。第1に有限会社制度が廃止され、株式会社に一本化されたこと(ただし、現在有限会社で存続を要望する場合は特例有限会社として残ることが出来る)。第2に最低資本金規制が撤廃されたこと(資本金が1円でもよい)。第3に機関設計が柔軟化されたこと(株式譲渡制限会社のうち中小会社では取締役会・監査役を置かなくてもいい。取締役1人いればいい)。第4に会計参与制度が創設されたこと(取締役と共同して決算書類を作成する税理士、公認会計士だけが就任できる。ただし、設置するか否かは任意)。第5に新しい会社の種類が増えたこと。『合同会社(日本版LLC)、有限責任事業組合(日本版LLP)』です。 合同会社は持分会社と呼ばれ対外的には社員の有限責任が確保され、対内的には機関設計、意思決定方法などに広く定款自治が認められています。いまはやりの投資ファンドなど、組織や権限分配を柔軟に決めることが収益につながる事業での活用を図るものです。今回の会社法の大改正の背景にあるのは、世界規模での企業間の大競争時代の生き残りのための規制緩和推進と起業の簡便化です。しかし、企業は株主のものであることはもとより、従業員の生活の糧を得る場であり、社会的存在でもあり、決して使用者だけのものではありません。その意味で今回の改正は、使用者の便宜に偏重しすぎているとの批判は免れません。 |
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| 野澤 裕昭 | ||||
■靖国神社を考える |
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| 昨年10月17日、小泉総理大臣が靖国神社に参拝し、マスコミに大きく報道されました。しかし、あふれる報道の反面、私たちは靖国神社の本当の問題点を知りません。外交がうまく進まない、A級戦犯が合祀されている、この程度の報道しか耳にしないからです。靖国神社は何のために作られたのか、ここにこの神社の問題点はあります。 たとえば、西郷隆盛。彼は靖国神社には祀られていません。彼は西南戦争で官軍と戦ったからです。また、鳥羽伏見の戦いで戦死した白虎隊などの会津藩士は祀られていませんが、禁門の変で戦死した会津藩士は祀られています。同じ藩の藩士でありながら、前者は朝敵であり、後者は逆に朝敵である長州藩と戦って死んだからです。 もうおわかりかと思いますが、靖国神社に祀られるか否かは「お国(=天皇)」のために死んだかどうかという基準、この一点に限られるのです。このスタンスは幕末・明治維新期に限らず、アジア・太平洋戦争の際も貫かれます。この戦争で「お国」のために戦い亡くなった軍人・軍属は、本人の希望の有無にかかわらず祀られています。しかし、この戦争で亡くなった軍人・軍属以外の市民は全く祀られていません。逆に、A級戦犯は祀られており、神様として崇められています。 戦争で失われた命。このことにおいて何らの差はないはずです。しかし、一方は神、他方は無視、こういう選別をしているのです。そして、このような基準を設ける理由は、お国のために死ぬ者を手厚く葬ることで美化し、遺族感情を緩和させ、さらなる命の投げ出しを創出する。これが靖国神社の本来の機能なのです。靖国神社の問題は、この神社が誰をどのような基準で祀っているのか、この神社は国家にとってどのような機能を発揮するのか、ここを見ないと、昨今の報道だけでは問題の本質はつかめないのではないでしょうか。 |
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| 佐々木 亮 | ||||
■こんな時代だからこそ諦めず国会を動かし法律を創ろう!〜通称「預金者保護新法」成立〜 | ||||
| 相次ぐ預金の払戻被害を受け、昨年8月、新法が成立しました(施行は今年2月)。ポイントは、@偽造、盗難力一ドの払戻被害は原則金融機関の負担、A負担を免れるためには金融機関が預金者側の重過失を立証せねばならない(盗難力一ドで預金者の軽過失が立証された場合補填額75%)、B法律施行前の被害、対象除外とされた通帳被害についての救済の必要性も確認したこと、の3点です。日本独自の根深く悪しき価値観に基づく「払戻被害は預金者の自己責任」という被害押し付けの発想は過去のもので、「業務で預かるお金を勝手に払い戻してなぜ責任を負わない?」という被害者のシンプルかつ当たり前の考えがようやく確認されたのでした。
私の所属する預貯金過誤払被害対策弁護団は、平成14年の結成時より、旧来観念に囚われた金融機関、金融庁、そして古い最高裁の枠組みを未だに維持する裁判所に対し、「預金者保護」を再三訴えてきました。ホットラインによる被害者掘り起こし、多数の通帳事案の提訴と勝訴判決の積み重ね、マスコミレクなどが世論の波をつくるべ一スとなり、被害者と共に行った、金融庁、政党要請、連日の議員回りなどの運動が最終的に新法という形で結実しました。今後も、係属事件の勝利的解決、新法改正など、預金者が安心してお金を預けられる社会の実現に向け、弁護団の課題は山積みです。 |
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| 圷 由美子 | ||||
■アスベストって何だ? | ||||
| 石綿といわれて思い起こすのはアルコールランプ。我々の世代では日常、どこにでもある物質。耐火・耐熱に優れているので多用され、軍用でも必需品。しかし、その危険性・発ガン性はかねてより指摘されていた。例えば、米海軍では国内で使用できないため、軍艦等の補修は横須賀基地で行っている。ところが、お隣のカナダは石綿の最大輸出国。未だに危険はないとの姿勢を貫いている。日本では95年に一部使用禁止とされたものの、未だ全面禁止とはなっていない。 粉じん吸入によるじん肺とアスベスト吸入による健康被害は決定的に異なる。粉じんは長期に継続して吸わなければじん肺まではならないので、家族や周辺住民にまで及ぶことはまずない。しかし、アスベストは微量でも健康被害をおこす。今、家族、周辺住民が問題となっているが、今後、露出石綿の吸入による一般人の被害発生も十分ありうる。 心肺機能に異変を感じたらまず専門医に受診すること(しかし、頼りの専門医はごくわずかしかいない。都心では芝病院)。今後の解体除去作業で絶対に石綿を吸わないこと。 国は石綿新法制定で結着を図ろうとしているが極めて不十分。危険を知りつつ放置してきた国と石綿関連企業の責任追及が早晩始まるであろう。 |
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| 鴨田 哲郎 | ||||
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■COLAPIVに参加して |
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| 2005年9月2日と3日、韓国ソウルの建国大学において、第4回アジア太平洋法律家会議(COLAPW)が開催され、主催国の韓国、日本、インド、パキスタン、バングラディシュ、ベトナム、フィリピン、中国、アメリカなど200名を超える法律家や研究者が参加し、「アジア太平洋地域における平和・人権・共存」をテーマに報告・討論が行われました。 討論を通じて、ソウル宣言が採択されましたが、その中で、憲法9条の改定に反対する宣言が盛り込まれました。憲法9条の平和主義の原理が、侵略戦争を再び起こさないようにするためのアジア太平洋の人々に対する保証となっていること、9条が日本の過去の侵略、植民地支配の歴史を踏まえたものであり、歴史の歪曲は将来の世代が日本の戦争責任を正しく理解することの妨げとなること、9条の平和主義原理は、アジアや世界の平和に示唆を与えるものであることが謳われました。 日本国内では、改憲、靖国問題、歴史教科書問題などが出ている中で、あらためて私たちは歴史認識を正しく持つこと、そして憲法9条を守ることの重要性を認識しました。 |
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| 宮坂 浩 | ||||
■デザイナー結婚退職強要事件 |
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| 結婚は幸せに満ちた人生の門出です。その結婚を理由に退職を強要され、拒否すると社長に披露宴会場で嫌がらせのスピーチをされた、という事件があり、昨年秋に全面勝訴、解決しました。普段からワンマン社長で従業員に残業手当も支払っていませんでした。 そこで、労働者は残業手当と会社都合の退職金、結婚退職強要の慰謝料を求めて裁判を起こしました。残業手当についてはタイムカードがなく、会社は遅刻や早退、休憩時間を細かく主張して労働時間を争っていましたが、裁判所は、そもそも会社は労働時間の管理をしていないとして、労働時間の立証は原告が毎日つけていたメモを全面的に採用しました。さらに裁判所は、これまでの会社の対応の不誠実さに考慮して、未払手当てと同額の付加金も認めました。また退職強要や嫌がらせスピーチの存在について、会社は全て争っていましたが、裁判所は会社側証人の証言は信用できないとし、労働者の言い分が全面的に採用されました。 裁判所は、退職強要の手段・方法についても、@執拗に繰り返して退職を強要し、A他の社員の面前で叱責(怒鳴りつけた)し、B披露宴においても嫌がらせのスピ一チをしたことを認め、会社を厳しく批判する判決をしました。 男女雇用機会均等法施行から20年を経た現在において、今なお根強い女性に対する差別の存在に驚くとともに、闘わなくては権利は保障されないということを実感する裁判でした。 |
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| 森 真子 | ||||
■葛飾ビラ配布弾圧事件−「物言えぬ国」にしていいのか? |
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| 1.2004年12月23日、葛飾区に住むAさんが、同区内の7階建てマンションの各戸ドアポストに、共産党発行の「都議会報告」「区議団だより」などを配布していたところ、住居侵入罪の現行犯人として逮捕されるという事件が起りました。Aさんは23日間にわたる身柄拘束を経て起訴されてしまいました。 2.このマンションの玄関ホールには、「セールスなどはお断り」との貼り紙がありましたが、玄関出入り口は施錠されておらず、日常的に宅配ピザのチラシなどが各戸のドアポストに入れられていました。 3.本件の最大の問題は、宅配ピザのチラシ配りなどと違って、なぜAさんの行為が犯罪として検挙されたのか、ということです。それは、Aさんの配っていたものが、憲法改悪に反対し、政府や東京都の福祉切捨て政策を批判する立場の政党の広報紙だったからにほかなりません。権力に対する批判的言論を封じ込める最悪の言論弾圧です。 4.近年、この種のビラ配布等を検挙・起訴する事件が連続して起きています。このことは、憲法を変えて日本を「戦争する国」にする動きと無関係ではありません。権力側は、この動きに反対する言論・表現を力づくで弾圧しようとしているのです。日本をこのまま「物言えぬ国」にしていいのか。葛飾事件はこのことを私たちに問いかけています。何としてもAさんの無罪を勝ち取らねばなりません。 |
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| 今村 幸次郎 | ||||
〜法律相談〜 成年後見制度 |
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| Q. 父は75歳で、痴呆がすすんできています。父にはかなり財産があるのですが、最近マスコミで老人が悪徳商法にひっかかるケースが多く報道されており、父も騙されないか心配です。どうすればよいでしょう。 | ||||
| A. 精神上の理由等で判断能力が不十分な人を保護するために、成年後見制度が設けられています。判断能力と要保護性のレベルに応じて、「成年後見」「保佐」「補助」に分けられますが、ご質問の場合、お父さんの痴呆の程度が相当重ければ「成年後見」となるでしょう。この制度を利用するためには、親族等が本人の住所地の家庭裁判所に後見開始審判の申立てを行い、精神鑑定等を経て、裁判所が成年後見人を選任します。申立書は家庭裁判所に定型のものが備え付けてあるので、弁護士をつけなくても申立てできます。成年後見人には通常、配偶者や子など親族が選任されますが、身内に適任者がいなければ第三者が選任されることもあります。申立ての際、適任者の候補をあげることができるので、事前に親族でよく話し合っておくとよいでしょう。 成年後見人は、本人を代理したり、本人が行った法律行為について取消権があるので、本人が騙されて契約を結んでも、後見人が取り消すことが出来ます(日用品の購入等を除く)。また、成年後見人は本人の財産を適正に管理したり、本人の身上を配慮する義務があります(保佐人、補助人の場合は権限が多少異なります)。 平成12年に施行されたこの「成年後見制度」は、以前の「禁治産者」のように戸籍に記載されることはなく、利用しやすい制度となっています。 |
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| 雪竹 奈緒 | ||||
■ぶらりらくちょう − 丸の内仲通り |
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| 事務所を出て晴海通りを渡ると、北に向かって一本のストリートがある。丸の内仲通りである。北の終点は新装なった新丸ビル、そして南の入口にはペニンシュラホテルが建築中。三菱村のオフィス街を縫うように走っている。最近1階は有名ブランドショップが次々と新装開店し、すっかりファッショナブルな装いを持ってきた。行き交う若人やサラリーマンも、何となく素敵に見えてしまうのも、ストリートの魅力である。 仕事を終えて、東京駅までの1キロにみたない夜道をぶらぶら歩きながら帰ると、パソコン相手の仕事で疲れた頭が、じわじわと解きほぐされていくのが分かる。癒されるのである。緑豊かな街路樹や芝生、奇抜なオブジェ、鮮やかな色彩を持ったショウウィンドーの光が織りなす世界は、ちょっとした素敵な空間である。最先端の感覚を飲み込む仲通りは変貌中でもある。 |
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| 徳住 堅治 | ||||
■労働審判制度〜その仕組みと活用の実際(日本法令) |
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| いよいよ今年4月1日から、全国の地方裁判所(本庁)において、「労働審判」がスタートするので、その制度の解説と利用の仕方を本にしました。労働審判制度は、バブル経済が終焉して以降、90年代から現在まで一貫して増え続けている「個別労働関係民事紛争」に対応するために、特別に立法された全く新しい司法制度です。 その特徴は、職業裁判官出身の審判官1名と、労使双方の団体から推薦任命された審判員2名が労働審判委員会を構成し、わずか3回の期日で事件を審理し、調停を試みながら審判をなすという制度であり、労働事件の迅速な解決を図る切り札となる司法制度といえます。多くの働く市民の皆さんが気軽に利用できるような制度にしていかなければなりません。この本がその手助けになれば幸いです。 |
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| 棗 一郎 | ||||
| 身内の尊い生命を失い、どん底生活の中、我が子を守りたくましく生きて来た母。今は孫13人ひ孫4人に囲まれながらパソコンと携帯電話を活用し、今なお現役でIT革命と闘っております。「戦争反対」と声を大にして呼びかける88歳のおばあちゃんパワーはすごい。(島川暁子) | ||||
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