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2003年 夏季号 <Vol.35> |
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■Imagine 〜It's easy if you try(by J. Lenon)〜 |
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| 人の血を見たくない。苦しみも与えたくない。人の喜ぶ顔が見たい。愛する人々に微笑んでいてほしい・・・。当たり前に思えるこれらの感情。実は、相手の立場や状況を「想像する」ことで初めて生まれるものなのです。今この心の作用が危機的状況にさらされている気がしてなりません。 効率化を追求するあまり、元来「想像する」ことのできる人々さえ、日常に追われ物事を突き詰めて考える余裕がないのが現状。さらには最近、およそ「想像する」ことのできない人々が着実に増えてきています。効率化の波が教育現場にまで押し寄せたとき、その傾向は益々顕著となるでしょう。環境汚染は人の心にまで進行してきています。 今の流れは、確実に、ほんの一握りが多くの弱者を自在に操ることのできる時代へと移行しています。人々が「想像する」ことをやめ、物事に対して疑問も感じなくなったとき、それは、人間性を放棄し、完全なる操り人形になりはてた瞬間です。 「想像する」。この心の作用が生む喜びは数知れません。共感や思いやりも、まずは「想像する」ことが出発点。共感が感動を生み、生きる原動力となることもしばしばです。 私達にとって何が大事で何が幸せか。その答えは意外とシンプルです。 |
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| 圷 由美子 | |||||
■【有事法制】今後の取り組み |
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| 有事法制3法案は、野党で結束して反対していた筈の民主党が出した妥協的な修正案に政府与党が乗ることによって、衆議院でも参議院でも9割の賛成で成立を許してしまった。この法律は、今回のイラク戦争のようなアメリカの無法な先制攻撃に日本が協力することに道を開き、自衛隊だけでなく自治体や輸送、通信、医療といった民間企業まで動員し、国民には一部罰則つきで協カを強制しようとするもので、この基本的な構造は今回の修正によってもいささかも変わっていない。もともと基本的人権に制限を加えることを本質とする有事法案に言葉だけ「人権保障」をうたっても殆ど意味がない。 一方で国民に協カ(一定の行為)を強制し、報道機関の業務に一定の責務(報道内容の規制)を課しながら、「思想・艮心の自由は絶対的に保障されなければならない」とか「表現の自由を侵してはならない」と言うこと自体が背理である。今回の有事法制は北朝鮮の危険な動向に対処することを当面の狙いとしている。しかし武力行使を前提とする有事法制を作ることはかえって逆効果である。有事法制の具体化に反対するとともに、平和的な解決の努力を粘り強く積み重ねることによって戦争が起きないようにすることこそが求められている。法律は制定されてしまっても、我々の取り組むべき課題はなお山積している。 |
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| 大熊 政一 | |||||
■労働法制の大改正 |
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| 日本の人口の半数以上を占める雇用労働者(サラリ一マン)の働き方や生活を直撃するような法律の改正が、国会で次々となされています。労働基準法の改正で、「使用者は労働者を自由に解雇できる」という趣旨の条文を、政府は新たに定めようとしましたが、これは労働界の猛反発があって削除されました。結局、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」という条文が新設されました。つまり、使用者は正当な理由がなければ労働者を勝手に解雇することはできない、社会常識に反するような解雇は無効であるということだと思います。 しかし一方で、労働者の身分そのものを不安定にするような労基法と派遣法の改正がなされました。これまで有期雇用(期間限定雇用)は、原則として1年しか許されなかったのが3年まで延長されました。また、通常派遣の期間を1年から3年に延長し、派遣対象業務としてこれまで影響が大きすぎるとして禁止されてきた物の製造業務と、社会福祉施設における医療業務への派遺が解禁されました。3年間は雇用されるが、その後はどうなるかわからないのです。使用者にとって派遣や有期雇用が大変使いやすくなり、正社員から不安定な派遣社員や有期雇用社員への切り替えが劇的に進んでいくことが危惧されます。 |
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| 棗 一郎 | |||||
■IBM社員のはずが同意もなく日立の社員に? | |||||
| 「IBM社員として働いてきたのに、同意もなしに日立の系列子会社の社員にさせられ、しかもこの先給料は50%ダウンするのも覚悟せよだと!?そんなことが許されるの?」日本IBMの八一ドディスク部門で働く労働者24名が、5月20日横浜地方裁判所に日本IBMの社員の地位確認訴訟を提起したのは、こうした素朴なギモンと憤りが出発点だ。
これにはカラクリがある。IBMが八一ドディスク部門を日立の系列子会社に移すのは、フツウに考えれば事業部門の売却、法律的には営業譲渡である。営業譲渡に伴って労働者をIBMから日立の系列子会社に移籍(転籍)させることは、IBMは本来強制できない。「IBMを辞めて日立の系列子会社に新しく入社してもいいですよ」という労働者の同意が必要なのだ。ところがIBMは、転籍に労働者の同意は不要とされている「会社分割法」を使って子会社を新設、労働者を有無を言わせずに転籍させた上で、そのわずか6日後に子会社の全株式を日立が出資する持株会社に売却してしまったのである。これでIBMは「転籍は労働者の同意が必要」という八―ドルを「すり抜けた」つもりかもしれないが、労働者は「それは法を悪用した脱法だろう]と怒っている。わが国で初めての会社分割法をめぐる裁判に、ぜひご支援を。 |
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| 山内 一浩 | |||||
■「愛国心」を考える 〜教育基本法改正論議から〜 | |||||
| 今国会では見送られたものの、与党はすでに検討会を設置し、教育基本法改正に意欲を燃やしています。ではどんな改正をしようというのか。3月20日に出た中央教育審議会答申のうち最も特徴的なものは、教育の基本理念に「『公共」の精神、道徳心、自律心の涵養」「日本の伝統・文化の尊重、郷土や国を愛する心と国際社会の一員としての意識の涵養」を付け加えることです。具体的にどのようなことが起こるのか。改正を先取りしている福岡県では、昨年から67の市立小学校で6年生社会科の評価項目の一つとして「国を愛する心情」「日本人としての自覚」を3段階で評価し、通知表に記載しています。子供らは心の中を通信簿で評価されることになります。愛国心ってなんでしょうか。「汚職政治家がはびこる日本なんか大嫌いだ」「報復されるからアメリ力の戦争に協カしない方がいい」といった子どもらの愛国心の点数は何点になるのでしょうか。成績をあげるために文部科学省の方針に沿った答えを子供は出すようになるでしょう。教師も時の政府の方針を教えることになるでしょう。心が管理された社会の行き着く先はいわずもがなです。愛国心は本来一つの方向性を持った見解ではない。自然に心に芽生えるふるさとへの愛着であり、何が国のためになるのかは個々の意見によって異なります。京都では教職員の9割が改正に反対とか。まっこと愛国心あふれる意見表明であります。 | |||||
| 森 真子 | |||||
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■シルバー人材センターにご用心! |
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| 「ゆったり働いて、退職後生きがい」。日経新聞がシルバー人材センターを紹介した記事です。定年退職で企業社会を離れた高齢者が、知識経験や趣味を生かして地域社会で生きがいを見つけられるように仕事を紹介するのがシルバー人材センターや高齢者事業団です。
しかし、紹介する仕事は「雇用」は含まないとされ、危険な仕事や地域の雇用状況を乱すような仕事の紹介も禁止されています。「雇用」は含まないとの制度設計のため、紹介された仕事で働いても、労基法や労災保険法の適用はありません。仕事先でケガをしても労災とは扱ってくれないのです。
しかし、紹介する仕事は「雇用」は含まないとされ、危険な仕事や地域の雇用状況を乱すような仕事の紹介も禁止されています。「雇用」は含まないとの制度設計のため、紹介された仕事で働いても、労基法や労災保険法の適用はありません。仕事先でケガをしても労災とは扱ってくれないのです。 ところが現実には、「雇用」にあたる仕事も紹介され、仕事先でケガをする人も後を絶ちません。某研究所を定年退職したSさんもそんな一人。「工場内軽作業」との説明で行ってみたら、プレス操作を命じられ、誤って左手指4本を切断してしまいました。 横浜地裁は5月、シルバー人材センターは仕事を紹介するにあたり、健康保護義務を負うとして、Sさんへの賠償金の支払いを命じ、初めての判決を言渡しました。 勝訴はしましたが、長い裁判の末にお金をもらっても、身体は元には戻りません。シルバー人材センターにはくれぐれもご用心を。 |
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| 鴨田 哲郎 | |||||
■根強い他民族排除の思想 |
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| 昨年9月17日の日朝会談での拉致事件発覚以降、日本全国で、朝鮮学校に通う在日コリアンの子供たちに対する嫌がらせが頻発している。今年初め、新人弁護士有志が、関東地方にある全21校の朝鮮学校の生徒に対しアンケート調査を実施したところ、拉致事件発覚以降、「朝鮮人死ね。」「拉致するぞ。」といった暴言を吐かれる、石を投げられるなど、なんらかの嫌がらせを受けた子供は約2割にも及び、特に朝鮮の民族衣装であるチマチョゴリを着て通学する中学生女子では、およそ3人に1人が嫌がらせを受けていることが分かった。
拉致行為が絶対に許されないことは言うまでもないが、在日コリアンの子供たちが拉致事件になんら責任がないことも明らかである。子供たちは自分が生まれ育ち、今後も暮らしてゆく日本と祖国の間の平和を切望し、祖国が日本人を拉致したことに衝撃を受けている。その悲しみに追い討ちをかける嫌がらせは決して許されない。
この問題は、これまで他民族を排除し続けてきた日本社会、日本人自身の問題である。全ての民族が、民族のアイデンティティーを有しつつ暮らしてゆける社会を、一刻も早く実現しなければならない。 |
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| 雪竹 奈緒 | |||||
■私の関わった新刊2冊 〜「薬害エイズ裁判史」と「医療過誤法律相談ガイドブック」〜 |
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| 1.薬害エイズ裁判が、原告(被害者)側の全面勝訴に匹敵する訴訟上の和解で解決してから本年3月ですでに7年が経過した。薬害エイズ被害は、血液製剤を治療のために使用していた血友病忠者がHIV(エイズの原因ウイルス)に感染した大規模薬害である。裁判は1989年から1996年まで、HIVに感染した被害者から国(厚生省)と製薬企業5社に対する損害賠償請求訴訟(小生は原告弁護団の副団長・団長として関与)として東京地裁等で争われてきたが、「薬害エイズ裁判史」(2002年8月・日本評論社発行)は、訴訟中とその後における薬害エイズ裁判の闘いの内容を、「訴訟編」「運動編」「真相究明編」「恒久対策編」「薬害根絶編」の5巻にまとめたものである。多くの関係者の出席を得て、本年1月31日に盛大に出版記念会を開催したが、薬害裁判等に興昧をお持ちの方は是非ご一読されたい。 2.最近、テレビ・新聞等で話題にされている訴訟として医療過誤裁判があるが、被害者(患者、遺族等)にとっても、弁護士にとっても、医療過誤裁判はその専門性と証明の困難性のゆえに難しい訴訟の一つであるといわれている。そこで、このたび、医療過誤を患者側の立場で担当している弁護士(17名)が約1年半かけて共同執筆(小生は編集責任者・執筆者として関与)して発行するに至った著書が「医療過誤法律相談ガイドブック」(2003年4月・第二東京弁護士会法律相談センター発行)である。内容は、主として、医療過誤訴訟を担当する弁護士を対象としたものであるが、医療過誤裁判等に興味をお持ちの方は是非ご一読されたい。 |
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| 清水 洋二 | |||||
〜法律相談〜 痴漢冤罪 |
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| Q.満員電車の中で痴漢と間違われてしまいました。被害者という女性から、駅事務室への同行を求められましたが、応ずるべきでしょうか。 | |||||
| A. こんな緊急時に携帯電話で弁護士に相談することはできないでしょうから、あらかじめ準備しておいた方がよいでしょう。身の潔白を明かすため、駅事務室に行くというのが健全な市民の考えかもしれません。しかしそこに陥穽があります。駅事務室は貴方の言い分を聞いてくれるところではなく、警察に連れていくための通過点に過ぎません。やがて警察官が来て署への同行を求められたら、ここでも潔白なあなたは署へ同行するでしょう。しかし警察官は、全く言い分を聞いてくれず犯人と決め付けてきます。そこで手錠・腰縄をつけられ、初めて逮捕されていたことを知ります。令状もないのにどうして?実は女性に連れられ、駅事務室へ同行した段階で「私人による現行犯逮捕」がなされていたこととされます。そして警察では、痴漢したことを認めれば略式罰金処分ですぐに釈放するが、認めない限りいつまでも釈放されません。裁判で言い分を通すことも相当に困難で、無罪を勝ち取るために何百万円も使った、などという例もめずらしくありません。何かが狂っているとしか言いようがありませんが、最初の問いに戻ると、駅事務室へ同行するべきではないでしょう。無実である旨を女性に述べ、名刺を渡すなどして身分を明らかにし、相手にも身分を明らかにすることを求め、場合によっては人権侵害で訴えることを述べ、堂々と立ち去るべきでしょう。 | |||||
| 今村 核 | |||||
■ぶらりらくちょう −老舗の本屋さん− |
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| 銀座5丁目東芝ビルの1階にある旭屋書店銀座店。栄枯盛衰のはげしい銀座界隈で生き残る老舖の本屋です。旭屋書店は、もともとは関西で展開していましたが、昭和40年に東京に進出。その第1号店が、この銀座店だそうです。 扱っている書籍は15万冊程度で、在庫100万冊を超える大型書店も見られるようになった現在では、むしろ「普通」サイズの書店といってもよいかもしれません。でも、新興の大型店にはない「落ち着く雰囲気」があります。平積みの本の選択には工夫が見られますし、常設の特集コーナーにもこだわりが感じられます。そんなわけで、私のお気に入りの本屋になっています。 銀座の本屋でちょっと一休みしてみませんか。 |
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| 石井 麦生 | |||||
■旬報セミナー |
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| 第9回目を迎えたJUNPOHセミナーが、3月15日開催されました。今回のテーマは、「交通事故」と「医療事故と被害者の救済」でした。 「交通事故」では、交通事故が発生した場合の加害者・被害者の対応、物損事故や傷害・死亡事故でどのような賠償請求ができるのかについて、実践的な内容で解説が行われました。 「医療事故と被害者の救済」では、医療過誤専件の特徴や背景、患者の権利、医療事故被害者が何を求めているのか、患者の期待に応えるために医療現場に何が求められているのかといった医療過誤訴訟に長年携わってきた経験を生かした中身の濃い報告でした。 JUNPOHセミナーでは、今後とも皆さんの身近な問題を取り上げ、実践的なセミナーを実施したいと考えておりますので、多数の参加をお待ちしています。 |
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| 宮坂 浩 | |||||
| 子どもの学校の授業で「イマジン」が取り上げられたことがありました。高石友也、忌野清志郎それぞれの日本語の歌もなかなかのものです。 「みんながそう思えば」歌詞の内容も現実となるのでしょう。そういう世界を「思い描いて」実現に近づけたいものです。 (三浦) |
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