株式会社などの会社を規制してきた商法(以下、単に会社法と言います)が改正されました(平成18年5月1日から)。会社法は、90年代から10数年間で矢継ぎ早に改正され、その集大成が今回の大改正です。具体的に改正で何が変わったのでしょうか。大別して5つあります。第1に、有限会社制度が廃止され株式会社に一本化されたこと(ただし、現在有限会社で存続を要望する場合は特例有限会社として残ることが出来る)、第2に、最低資本金規制が撤廃されたこと(資本金が1円でもよい)、第3に、機関設計が柔軟化されたこと(株式譲渡制限会社のうち中小会社では取締役会・監査役を置かなくてもいい。取締役1人いればいい)、第4に、会計参与制度が創設されたこと(取締役と共同して決算書類を作成する。税理士、公認会計士だけが就任できる。ただし、設置するか否かは任意)、第5に、新しい会社の種類が増えたこと(合同会社(日本版LLC)、有限責任事業組合(日本版LLP))です。合同会社は持分会社と呼ばれ、外的には社員の有限責任が確保され、対内的には機関設計、意思決定方法などに広く定款時自治が認められています。いまはやりの投資ファンドなど組織や権限分配を柔軟に決めることが収益につながる事業での活用を図るものです。今回の会社法の大改正の背景にあるのは、世界規模での企業間の大競争時代の生き残りのための規制緩和推進と起業の簡便化です。しかし、企業は株主のものであることはもとより従業員の生活の糧を得る場であり、社会的存在でもあり、決して使用者だけのものではありません。その意味で、今回の改正は、使用者の便宜に偏重しすぎているとの批判は免れません。
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